石鎚山
石鎚山周辺地形図  
 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッ
 シュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平19総使、第512号)
 
 
 2006/10/9
(快晴)
 
6:42 土小屋 石鎚山登山口 1492m 10:16 弥山頂上  
8:20 二ノ鎖 1800m       (休憩 3時間16分)
   (小休止 10分)   13:53 二ノ鎖分岐 1800m
9:03 弥山頂上 15:03 土小屋 石鎚山登山口 1492m
   (小休止 15分)        
9:36 天狗岳 1982m          総時間:8時間21分
   (小休止 15分)          (歩行時間:4時間25分)
 社会人になると、自由な学生時代のようにはいかないことが当然ある訳ですが、例えばまとまった休暇を取りにくいこともその一つです。それだけに、長期休暇や連休は本当に貴重で、休みのだいぶ前からあれこれ計画を練ったりしています。またそれが楽しかったりするわけです。
 
 10月初旬、今回はそんな貴重な三連休に有給休暇を継ぎ足して四連休にまでしたのですが・・・・・当初計画していた東北は台風崩れの低気圧が居座って大荒れの空模様。なんともツイてない話です。しかし、そこは気ままな一人旅。予定はいくらでも変更がききます。 あらためて天気予報を確認すると西日本は天気の回復が早いようで、その後も晴天が続く見込み。そこで急遽予定を変更し、これまで一度しか訪れたことのない四国へ行ってみることにしました。
 
 さて、せっかくの遠出なので、どこか面白い山があれば登ってみたいところです。この季節、旬の山は無いかな?とネットで探していたら石鎚山の紅葉が見頃とのこと。東北の紅葉を諦めた後だけに石鎚山に即決と成りました。10月初旬に四国で紅葉が見られるとは思っていなかったので、ちょっと得した気分です。
 
 
 @ 土小屋登山口
 石鎚山への登山道はいくつかありますが、今回は最短ルートの土小屋コースを選択しました。早朝から行動を開始したいので、今回も登山口の駐車場にて車中泊です。
 
 ちなみに土小屋へのメインルートである石鎚スカイラインは午後6時で麓のゲートが閉じてしまいます。ゲートが開くのは朝の7時ですので、早い時間に登り始めたい人や車駐泊を考えている人は注意が必要です。他にも道があるにはあるのですが、暗くなってからの通行は、はっきり言ってお勧め出来ません。
 
土小屋登山口
土小屋登山口
 
 遅くまで予土県境の峠をウロウロしていた私は、そのお勧め出来ない道の一つ、県道石鎚公園線を通るはめになったのですが、狭いわ暗いわで、土小屋までがやたらと長く感じました。しかも、時折対向車が下りてくるから始末が悪い。ガードレールなど気の利いたものはもちろん無く、一体どこまでが道路なのかも判らない暗闇のなかでの離合は冷や汗ものです。やっぱり、知らない山道を夜中に走行するもんじゃないですね〜〜 (- -;Δ フキフキ
 
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 なんとか土小屋までたどり着いたものの、夜は車を揺らすほどの突風が吹き荒れました。見上げると、上空をもの凄いスピードで雲が流れてゆきます。
 
石鎚山遠望
中央が目指す山頂
 うーん、天気を読み違えたかな?朝、目を覚さまして周囲を見ると霧で真っ白!なんて嫌な想像が頭をよぎります。
 
 なんだかんだ言っても、山登りは天気がいいほうが気持ちいい。これが簡単に来れない遠くの山ともなると、尚更です。せっかく遠出して天気が悪い時は本当にがっかりなのでした。
 
 
 この日は、かなり不安に思いながら眠りにつきました。しかし、朝、携帯のアラームで目を覚まし車の外を見てみると・・・・・雲ひとつ無い快晴! 昨夜の突風も嘘のようにおさまり、絶好の登山日和となりました。
 
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 土小屋からの登山道は尾根に沿って緩やかな勾配でつけられており、自分のペースを保てば楽に歩ける道だと思います。私はというと、カメラを構え、あちこち立ち止まりながらの、のんびりした山行。ただ、石鎚スカイラインのゲートが開くと同時に登ってくる、おそらくおびただしい数の登山者が気にかかります。少なくとも、山頂や鎖場が混雑する前にはたどり着きたいのですが・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 それにしても今日は本当に空が青い。箒で掃いたような秋の雲も美しく映えます。雲が織り成す造形も素晴らしく、上の写真は、まるで石鎚山から白い鳥が飛び立っているように見えます。一昔前なら何かの瑞兆と騒がれたりして (* ̄∇ ̄*)  この後、形も崩れることなく、東の空へ飛び去ってゆきました。
 
 登山道は再び尾根の東側へと変わり、ここで単独の男性に追いつきました。一人景色を眺めている先を見ると、逆光の中、遠く太平洋が白く輝いて見えます。どの方向にもかたまった雲は無く、どうやら今日の晴天は終日保証されているようです。
 
紅葉の登山道
登山道の葉も色づく
山頂部 紅葉が盛り
標高が高い所は紅葉の盛り
 
 
 この男性は、すぐ近くの瓶ヶ森に昨日登ってきたそうです。下界は晴れていたのに、山の上は天気が悪かったそうで、瓶ヶ森から見る石鎚山は雲に巻かれていたとのこと。ただ、夕方にはガスも晴れ、土小屋では午後4時から登り直す人もいたという話でした。うーむ、凄い。
 
 
 それにしても山頂岩壁部の紅葉が素晴らしい。紅葉最盛期の情報は確かだったようで、何度も立ち止まりシャッターを切ります。これでは急げというほうが無理な話です (^ー^* )
 
 
 
 
 
 
 A 二ノ鎖
 
 ほぼコースタイム通りの時間で二ノ鎖前の鳥居に到着。ここで成就社からの登山道が合わさり、周囲の雰囲気も賑やかになってきました。木段を登った先にあるのがニノ鎖小屋。そこからは65mの長さがあるという、石鎚山名物の鎖場がひかえています。
 
 鎖場を前に一息つきたいところ。鳥居の前では多くの人が休憩していました。私もザックを降ろし、少し休憩。
 
二ノ鎖の鳥居
二ノ鎖前の鳥居
 
二ノ鎖
二ノ鎖
 ニノ鎖ですが、直下から見上げてみると傾斜も強くてなかなかの迫力。上部からはごつい鎖が二本垂れています。さすがにカメラをぶらぶらさせながら登るのは怖いのでザックにしまい込み、変わりに薄手の手袋を取り出して鎖に取り付きました。
 
 鎖には三角の鐙が付けられており、これも利用しながら慎重に登ります。途中下を見ると・・・・結構な高度感! 足を滑らせようものなら、運の悪い何人かを巻き込んで大怪我必至の状況です。自信が無い人は、鎖場を回避する巻道があるので、そちらを利用した方が無難だと思います。
 
 
 
 B 弥山山頂 〜 C 天狗岳往復
 
 ニノ鎖を越えると次は三ノ鎖。こちらも68mの長い鎖場で緊張を強いられます。ここを登り切ると山頂。鎖を登っている最中は頭上と手元足元に視線を集中しているので、最後は突然視界が開け、なんとも唐突といった感じで山頂に辿り着きました。 石鎚山 弥山山頂
石鎚山 弥山山頂
 
 
 頂上からの眺めは・・・・・・・もはや、言葉もありません。天気が良いだけならいくらでもありますが、こんなに透き通った景色が見られることは年に何度も無いことだと思います。今日来て本当に良かった・・・・。
 
 
 
石鎚山からの展望 西側
石鎚山からの展望 西側(画像クリックで拡大)
 
 
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 この時点では山頂にも人影は疎ら。神社からは祝詞の声や太鼓の音が響き、信仰の山であることを感じさせます。神職の方が成就社の方に向かって法螺貝を吹いており、聞けば、参詣者が団体で登ってくるので合図の為に吹いているのだそうです。
 
 
 もっと山頂からの景色を楽しんでいたいところですが、先に天狗岳を往復することにしました。ザックを山頂に置き、とりあえずカメラだけ抱えて弥山直下の岩場を降ります。
 
 天狗岳は北側がスパッと切れ落ちた断崖になっており、やや緩やかな南側に狭い登山道がつけられています。弥山から見ると、まさに痩せ尾根で「どこを歩くの?」といった感がありますが、歩き始めるとそんなに恐怖を覚えるような箇所も無く、岩の上を軽快に歩いて西日本最高峰の山頂に到着できました。
 
天狗岳
弥山から見た紅葉の天狗岳
 
弥山
天狗岳から弥山を振り返って
 
 
 岩の上に小さな祠が一つ。山頂から振り返ると、突き上げた指先のような山容の弥山に小さな社がちょこんと据えられていて、なんだかミニチュアセットみたいにみえます。
 
 山肌にくっついている青い建物が三ノ鎖小屋。そこから頂上まで鎖場が続いている訳です。あらためて見ると結構な傾斜ですよね。
 
天狗岳の絶壁
 
 
 少し足を伸ばして南尖峰の方に行ってみました。こちら側から見る天狗岳はまさに垂直の壁。頂上にいるゴマ粒のような人影と比較してみると巨大なスケールがわかっていただけるかと思います。
 
 眼下に見える白い建物はニノ鎖小屋です。ここからは標高差が約200mあります。遠景は瀬戸内海と新居浜の街並みで、肉眼ではしまなみ海道の連絡橋も見えていました。今日は遠くの景色まですっきりと見えます。
 
 
 
 D 再び弥山山頂
 
 
 天狗岳から弥山に戻ってきました。今日みたいな日にさっさと下山してしまうなんて勿体無い。このまま山頂でのんびりと過ごすことにしました。
 
 
 
 
 
 
 
 頂上からは、相変わらずの素晴らしい眺め。細く巻いた上空の雲がいい味を出しています。
 
 旅をしていて感じたことですが、四国は意外と山深い。海岸沿いの町から少し奥に入っただけで、険しい渓谷や谷間を縫うようにして流れる清流、山の急斜面に張り付くように点在する集落など、時が止まったような素朴な風景がとても印象的でした。
 
 山頂から南側の風景も、見渡す限り山また山。信州のような高山の迫力はありませんが、押寄せる波のようにどこまでも山並みが続いています。
 
石鎚山からの展望 西〜北側
石鎚山からの展望 南西〜北側(画像クリックで拡大)
 
 
 それにしても秋の雲の美しいことと言ったら・・・・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 この時の山頂の気温は21℃と、日なたにずっといるとむしろ暑いくらいな陽気です。風もそよ風くらいしか吹いていなくて、本当にすごしやすい。この時点で長居は決定的。
 
 
 ぼんやり景色を眺めていると、下のほうから「どっこいしょー」「なんまんだー」という掛け声とともに、白い鉢巻を締めた登拝者が列を成して登ってきました。神職が合図の法螺貝を吹いていた相手とは、どうやらこの方達だったようです。
 
登拝者の列
登拝者の列
 
 
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山頂は人だかり
気づけば大混雑の山頂
 天狗岳から戻った後は、山小屋の裏手の岩でのんびりしていたのですが、写真でも撮ろうと頂上社の方に戻ってみると・・・凄い人・人・人! 未だかつて、山でこれ程の人出を見たことがありません。
 
 山小屋の方に聞いた話では、昨日は三連休の中日だった為か、曇り空にも関わらず今日の十倍の大混雑だったとか。さすがに十倍は冗談だと思いますが・・・うーむ、石鎚山侮りがたし。
 
 
 なんだか落ち着いて休んでいられなくなってきましたし、この辺りが潮時でしょうか。ずいぶんのんびり過ごしたもので、実に3時間以上も山頂で過ごしていたことになります。こういうスローライフな山旅は理想的ですね。(もっとも、体力不足で足が遅いという話もありますが)
 
 
石鎚山からの展望 西〜北側
石鎚山からの展望 南東〜北側(画像クリックで拡大)
 
 
 
 E 弥山山頂 〜 F 土小屋へ下山
 
 
 弥山からの下りは鎖場を避けて巻き道を通りました。急な斜面に金属製の階段がつけられていて、鎖を登るのが厳しい人でも山頂にたどり着けるように配慮されています。
 
 もっとも、登ってくる人の顔を見る限りでは、こちらの巻道も結構きついんじゃないかと思います。
 
鎖場の巻道
鎖場の巻道
 
登山道の向こうに土小屋駐車場
登山道の向こうに土小屋駐車場が見える
 今回のように山頂を往復する場合、自分は行きに見つけた花を写真に撮りながらゆっくり下ることにしています。
 
 しかし、今日は登山道も混雑気味。しゃがみこんだり三脚を使って道を占領する訳にもいかず、途中から諦めてカメラをしまい、さっさと下山してしまいました。
 
 
 台風で、せっかくの連休も一時はどうなることかと思いましたが、結果的には紅葉と絶景の石鎚山に出会うことが出来て最高の休日となりました。山頂の混雑ぶりには驚きましたが、このコンディションなら文句無しです。百名山の一つでもあって登山道は整備されており、尚且つ名物の鎖場や天狗の岩場でちょっとしたスリルも味わえる、満足の一山でした。
 
 以下、登山道脇の花。さすがに数は少ないですね。この土小屋コースは花のコースでもあるようです。また、花の時期にでも訪れてみたいと思います。
 
 
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      石鎚山 訪問 2006/10/9
          登録 2007/12/17