雲取山
雲取山周辺地形図  
 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッ
 シュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平19総使、第512号)
 
 
 2005/10/23
(快晴)
 
10:06 鴨沢登山口 540m   14:09 五十人平ヘリポート    
10:34 小袖乗越     14:16 奥多摩小屋 1760m  
11:28 登り尾根の水場     15:10 雲取山頂上 2017m  
   (小休止 10分)        (小休止 20分)    
11:55 堂所 1230m   15:48 雲取山荘 1820m  
12:39 七ツ石山への分岐 1230m          
12:49 七ツ石小屋              総時間:5時間48分
13:22 七ツ石山頂上 1757m           (歩行時間:5時間)
   (小休止 18分)            
 ついに登山道具一式を購入してしまった。まさか自分が山を始めるなんて思ってもみませんでしたが・・・・・。
 
 旅先で、どちらかというと自然いっぱいの所を選んで旅に出ているせいもありますが、そんな所から聳える山々を仰ぎ見ていると、なんかこうムズムズしてくる訳です。あそこから眺める景色はきっと素晴らしいだろうなあとか。静かな山の中でテントでも張って、もっとゆっくり楽しみたいとか。
 
 考えてみれば、峠歩きなどを趣味にしているくらいだから、もともと通じるものがあったのだと思います。というか、山に興味の無い人からみれば、山歩きも峠歩きも、何が違うの?といったところだと思いますが、私の中ではハッキリとした区別があって、ついに境界線を越えてしまったなあという気持ちです。
 
 さて、道具を揃えたら使ってみたくなるもの。今回、初めてのテント山行として雲取山を選択しました。雲取山は東京都・埼玉県・山梨県の3都県にまたがる山で、百名山の一つとして人気の高い山だけに登山道も整備されていて、通年営業の山小屋もあります。初心者としては、歩きやすくて訪れる人の多い山の方がやはり安心出来ます。
 
 心配と言えばもう一つ、荷物を詰めたザックを担いでみると・・・・・重い。当たり前ですが、衣食住が詰まっているとなると、いつもの軽装とは全然違いますね。日々運動不足のサラリーマンとしては体力面に一抹の不安が残りますが、そもそも登山人口のほとんどを中高年登山者が占めている。自分の方がずっと若いのだから大丈夫(のハズ)と一応納得させておきました。
 
 
 
 @ 鴨沢登山口
 
 
 この雲取山ですが、有名な山だけに登山コースも複数あります。秩父の三峰から登るコース、三条の湯から登るコースなどがありますが、今回は奥多摩の鴨沢から山頂を目指すことにしました。
 
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 天気予報を確認すると土曜日は曇りとのこと。最近、週末になると天気が悪くなって困ったものです。日曜日は晴れるようですが、土曜日の夜に寒冷前線が通過するらしく、荒天の中のテント泊は避けたいところ。そこで月曜日に有休を使って休み、日曜〜月曜で登ることにしました。
 
 日曜日、昨夜は案の定すごい風が吹き荒れました。早朝出発のつもりでしたが、どうしても会社に用事があり、会社を出たのが7時前になってしまいました。本日は予報通りの快晴。山行終了までこのままの天気でいてくれればいいのですが・・・。
 
鴨沢集落
鴨沢の集落
民家の間を行く
民家の間を行く
 車を走らせ鴨沢に到着したのが9時半。ここの駐車場は10台程度しか駐車スペースがありません。運良く1台出て行くところで、代わりに駐車することが出来ました。少し歩くことになりますが、奥多摩側に少し戻った留浦にも駐車場があります。
 
 歩き始めたのは10時過ぎと、かなりのんびりしたスタート。遅くなったら無理せず途中の山小屋に泊まるとしましょう。最初は民家の脇の小道を登ります。
 
 
 
 A 小袖乗越
 
 杉林の中の道を少し登ると、林道に行き当たります。地図で小袖乗越と記されている地点です。この道の端によせて何台か駐車してありました。雲取山の往復なら、時間短縮にもなるし、ここにとめた方がいいかな? 広めの空き地もありますが、こちらは私有地とのことで駐車禁止。この林道をやや歩いて、脇の登山口からいよいよ登山開始となります。
 
林道の登山口
林道脇の登山口
 
 道は「登り尾根」といわれる尾根の東側を穏やかに巻くようにして付けられています。しばらく歩くと途中に家屋と畑が現れます。家屋は既に打ち捨てられていましたが、畑の方は今でも耕作されているようでした。
 
 わざわざ、こんなところまで畑仕事に足を運ぶ人がいるとは驚きです。林の遥か下には林道の続きと思われる舗装路が見えますが、それにしても結構な距離です。
 
 旅の途中、ここよりも更に奥深い場所で民家や耕地を見かけて驚くことがあります。私などは「よくもまあこんな場所で」などと思ってしまうのですが、そこに長く暮らす人にとっては案外なんでもないことなのかもしれません。
 
 
 
 B 登り尾根の水場
 
 
 登山道には杉の植林と雑木林が交互に現れます。10月も終わりに近づいているのに木々の緑にはまだまだ勢いがあります。今年は例年に比べて紅葉が遅れているようです。
 
 この登り尾根には水場があります。下の写真がそうなのですが、道からわずかに登ったところにあって看板を見逃すと飲めない・・・のですが、水場の水はそのまま斜面を流れて登山道をぬかるみに。これを目印?にすれば大丈夫だと思います。水場で小休止、水は冷たくて美味い。これが登山の楽しみの一つにもなっています。
 
登り尾根の水場
登り尾根の水場(鴨沢側に振り向いて)
登り尾根
緑眩しい登山道
 
 
 
 C 堂所
 
 鴨沢から2時間、尾根上のやや開けたところに到着。どうやら、ここが堂所のようです。ここまでの道は少しきつい登りもありますが、すぐに緩やかになります。あせらずゆっくり歩けば、特に問題ないと感じました。
 
 しかし、日帰りの軽装と違ってちっとも時間を稼げません。大学生と思われるグループには、あっさり抜き去られる始末。若いつもりでも、いたって歳相応なのでした。
 
堂所
堂所
登りがきつくなってきた
登りがきつくなってきた
 堂所を越えた辺りから登りがきつくなります。小刻みに立ち止まりながらの、のろのろとした歩み。
 
 登りはきつくなりますが、道は尾根の反対側へ越え、この辺りから西側の展望が開けてきます。木々の間に目をやると・・・・雪を頂いた富士の姿が!これは頂上からの景色も期待できそうです。
 
 
 水筒を取り出し、富士山を見ながら水を一口。一息ついて、疲れがスッと引いていきます。道中には山小屋も多い。雲取山荘まで行く予定ですが、遅くなったら奥多摩小屋にでも泊まればいい。急ぐ旅路でもないですし、あせらず、のんびり登るとしましょう。
 
木々の合間から富士を望む
木々の合間から富士を望む
冠雪した富士山頂
冠雪した富士山頂
 
 
 
 D 七ツ石小屋
 
 ややあって、登山道は分岐に突き当たります。右は七ツ石小屋を経由して七ツ石山山頂へ至る道。左は七ツ石山を迂回して雲取山へ向かう巻き道です。登りはきつそうですが、迷わず七ツ石山へ向かうとします。
 
七ツ石山への分岐
七ツ石山への分岐
七ツ石小屋
七ツ石小屋
 分岐から10分程で、七ツ石小屋に到着。素泊まりのみの小屋で、水・トイレがあります。ここから少し登ったところに、水場があって更に道が分岐しています。ここも右手(七ツ石山頂)に進みます。
 
 
 
 E 七ツ石山
 
 
 水場を過ぎると、登山道は突然明るい山稜へ。ここは、雲取山から東へ長く延びる「石尾根」と呼ばれる稜線です。
 
 ここまでは本当にキツかった。しかし、残すは気持ちの良い稜線歩き、気分もいっきに楽になります。上を見上げると、ようやく色づき始めた葉が陽光に透けていました。秋晴れの空はどこまでも青い。なんだかんだ言っても、山歩きは晴天に限ります。
 
 道はカラマツ林の中へ。この鴨沢ルートは、疲れが蓄積したのを見計らったかのように、周囲の景色を変化させます。
 
石尾根の紅葉
石尾根の紅葉
七ツ石山頂
七ツ石山頂
 変化に乏しい山道を、黙々と登るのは気が滅入る・・・・。登山とまではいかないまでもハイキング程度なら昔から好きで、学生時代に気の進まない友人を地元の山に連れていったことがあります。この時は生憎の曇り空で、ガスの湧く中をひたすら登る羽目に。全く苦行僧以外の何者でもありません。今では興味の無い人を登山に誘うことはしなくなりましたが、あの時は本当に申し訳ないことをしました。
 
 
 林を抜けて明るい山頂へ。登りは大変でしたが、来た甲斐がありました。展望は非常に良く、奥多摩の山並みの向こうに富士の姿が見事です。
 
 
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七ツ石山からの展望
七ツ石山からの展望(画像クリックで拡大)
 
 
 
 山頂には5人だけ、皆、思い思いに休憩しています。私もここで、遅い昼食をとることにしました。
 
 「まだ、あんなにあるの!」 静かな山頂に声が響きます。そちらに振り向くと、うんざり顔の女性の先に、まっすぐに伸びる尾根道とずっと向こうに雲取山。
 
雲取山を望む
雲取山を望む
 
 確かにまだまだあるなあ。というか、途中にかなり急な坂が見えるのですが・・・あれを登るの?? 暗くなる前にテントを張り終えたいし、そろそろ出発しよう。
 
 
 
 F 奥多摩小屋
 
 七ツ石山からの下りはかなりの急坂。滑らないように慎重に歩を進めます。それにしても段差が大きく、足を突く度に衝撃でひざが痛い。
 
 そういえば、最近2本のストックを使った登山者をよく見かけるようになりました。歩行を安定させ、登り降りの衝撃をかなり和らげることが出来るらしいのですが・・・帰ったら導入を検討してみようかな。
 
石尾根
石尾根
 
 七ツ石山から先の尾根道は、左手側の視界が大きく開けていて開放感があります。空気が澄んでいて展望の良いこの時期、稜線歩きの一番楽しい季節ではないでしょうか。
 
 尾根上の開けた空間、五十人平ヘリポートを過ぎれば奥多摩小屋です。ここは通年営業・素泊まりのみの山小屋で、水場・テント場もあります。小屋の前で水を一口。ここから山頂まで約1時間、ここまで来ればもうあと少しだ。
 
五十人平ヘリポート
五十人平ヘリポート
奥多摩小屋
奥多摩小屋
 
 
 G 雲取山
 
 
奥多摩小屋すぐの急坂
奥多摩小屋すぐの急坂
 
 
 奥多摩小屋を過ぎると、目の前に壁のような登りが現れます。距離自体は大したことが無いのですが、疲れた足にはなかなか厳しい。20歩ごとに立ち止まる、の繰り返し。
 
 この坂を巻く道もあるのですが、登り切って後ろを振り返ると、すばらしい展望が待っていました。これまで歩いてきた石尾根の先に、一段高く七ツ石山。目を右に向けると、遥か遠くの稜線までがクッキリと浮かび上がります。
 
 
 
 
 百名山の一つとして人気の山ですし、週末は大勢の登山者で賑わっているのだと思いますが、日曜日の午後過ぎともなると静かなものです。奥多摩小屋の前で単独の男性にあっただけで、七ツ石山を過ぎてからは一人の稜線歩きが続いています。
 
 ここから先は緩く歩きやすい登山道です。遅まきながらピッチも上がります。強くなってきた風が少し冷たい。
 
 この辺り、色づいた木々がようやく見られるようになってきました。傾いた陽光に照らされ、葉も黄金色に輝いています。独り静かな山歩きでは、こういう情景が直接心に訴えかけてくるような不思議な感覚がすることがあり、これが結構好きだったりします。
 
黄金色に輝く
黄金色に輝く
雲取山
ようやく雲取山 山頂
 
 
 小雲取山をよくわからないまま通過し、ようやく雲取山山頂に到着したのが午後3時過ぎ。トータル5時間と、コースタイム通りの時間でした。
 
 山頂からの眺めは言葉も出ないくらいの絶景。東京のビル群や東京湾の向こうに房総半島までが一望できます。丹沢から南アルプスまでの山並みが見渡せる大パノラマです。
 
雲取山山頂
 
 
 
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雲取山からの展望
雲取山からの展望(画像クリックで拡大)
 
 
 雲取山山頂には避難小屋があります。収容人数20名の綺麗で立派なログハウスです。ただ、頂上には水場が無いので、宿泊利用の場合は雲取山荘か奥多摩小屋の水場から担いでくる必要があります。小屋の目の前にトイレもありますが、ちょっと使用が躊躇われる状態でした。
 
 山頂には一組のパーティーが休憩しているのみです。「今日は避難小屋泊?」その中の一人の問いに「雲取山荘まで行きます」と答える。「今日は貸切だよ」とのこと。しばらくして、彼らは石尾根を下っていき、また独りぼっちの山頂となりました。
 
避難小屋
避難小屋内部
 
 
 山頂から眺める夕焼け、東京の夜景はきっと感動的でしょう。一瞬、避難小屋に泊まってしまおうかとも思いましたが、せっかく新品のテントを担いで登ってきたこともあります。次回は小屋泊して景色を堪能することにしよう。名残惜しいですが、山頂を後にしました。暗くならないうちにテントをたててしまわなければ。
 
 
 H 雲取山荘
 
 
 山頂からは樹林帯の急坂を下ります。テントをたててからまた登ってこようかとも考えましたが、この傾斜にあっさり断念。暗くなるとちょっと迷いそうです。
 
 午後4時少し前に山荘到着。やっと本日の行程が終了しました。
 
 雲取山荘は1999年に建て替えたばかりの綺麗な山小屋です。通年営業で収容人数200人。外には水場と水洗トイレ(土足厳禁・トイレットペーパー常備)があります。こんなに綺麗で使用に抵抗がないトイレも珍しい。ありがたく使用させて頂きました。
 
雲取山荘
雲取山荘
雲取山荘 幕営地
本日のお宿
 山荘の受付で幕営料300円を払い、あわせて缶ビールを購入。指定幕営地は山荘のすぐ隣にあります。キャパは50張りとのことですが、皆が適当に設置したら20〜30張りが限界のような気がします。
 
 幕営地には自分を含めて2張りだけ。少し離れたところにテントを張りました。
 
 夕食はレトルト2品。ガスバーナーの音がテント内に静に響く。私はバーナーの「コー」という音が結構好きだったりします。
 
 こうしていると高校時代に友人と天泊した時のことを思い出します。一日の疲労からか、夕食を作っているときは皆なんとなく無口で、勢い良く燃えるガスの音のみがテント内に響いていたように思います。ほっとするようで、なにかもの悲しい音。
 
 外に出ると東京の夜景と、今年10月末に大接近する火星が明るく輝いていました。
 
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      雲取山 訪問 2005/10/23
          登録 2007/12/16