雲取山
雲取山周辺地形図  
 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッ
 シュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平19総使、第512号)
 
 
 2005/10/24
(快晴 → 晴)
 
6:14 雲取山荘 1820m   10:43 塩沢橋    
6:40 雲取山頂上 2017m      (小休止 10分)    
   (小休止 30分)     11:20 後山林道始点ゲート    
7:40 三条ダルミ 1750m   12:09 お祭バス停 570m  
   (小休止 10分)            
9:19 青岩鍾乳洞分岐            
9:37 三条の湯 1100m            総時間:5時間55分
10:01 後山林道終点 930m           (歩行時間:5時間5分)
 
 @ 雲取山荘
 
 今日は5時30分に起床。真っ暗な中、ヘッドランプを点けて、ごそごそと朝食の準備。テントを撤収して山荘の前に行くと、ちょうど日の出の時間でした。昨日の疲れもすっかりとれて、気持ちのいい朝です。
 
 ホースからじゃんじゃん流れている冷たい水で顔を洗うと、一気に目が覚めました。この季節、朝はかなり寒い。ガチガチに厚着して、ニット帽に手袋までして出発しました。
 
日の出
山荘前から日の出
 
 A 雲取山
 
 
 本日は、雲取山山頂から三条の湯経由で鴨沢に戻る予定。昨日下った急坂を、山頂に向けてゆっくりゆっくりと登ります。
 
 雲取山山頂は昨日と同じ素晴らしい展望。朝日にクッキリと照らされた西側の山並みが特に素晴らしく見えます。
 
 平らな岩に寝ころんで、自宅のある方角をぼんやりと眺めながら、しばし休憩。今日は平日、いつもなら出勤の準備をしている頃です。眼下に見える街は既に始動し、その中で多くの人が忙しく動き回っていることでしょう。他に誰もいない山頂にいると、そこと地続きだとはとても思えない、何か全く違う世界にいるような気さえしてきます。
 
雲取山からの富士
雲取山からの富士
 
 
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 突如、冷たい風が吹きつけ、そんな曖昧な感覚を揺り起こします。何時までもこうしていたいところですが、登ったからには下りなければならないのが登山です。名残惜しいですが、そろそろ出発することとしましょう。
 
 
雲取山からの展望
雲取山からの展望(画像クリックで拡大)
 
 
 
 B 三条ダルミ
 
 頂上から三条ダルミへは、かなりの急坂を下ります。三条の湯からの登山コースは短時間で山頂にたどり着けるのが魅力ですが、ここを逆に登ることを考えると結構体力が要ると思います。
 
 ここで熊鈴を取り出しザックに付けて歩く。周囲にリンと鈴の音が響きます。この辺りに熊が出るのかどうかはよくわかりませんが、あまりにも静かなので、鈴の音でもしていないと、なんだか心細いのでした。
 
三条ダルミへの下り
カラマツ林の急坂
 
 急坂を下り終えたところが三条ダルミ。ここは南面の展望か開けていて、正面に富士の姿が見てとれます。ここで道は分岐。一方が三つ山経由で飛龍山へ向かう登山道、もう一方が三条の湯へ下る登山道です。なお、少し手前には、雲取山荘からの巻き道が合流しています。
 
三条ダルミ
三条ダルミ
三条ダルミからの富士山
三条ダルミからの富士山
 
 
 C 青岩鍾乳洞分岐
 
 ここからは「水無し尾根」と呼ばれる尾根筋の道を下ります。「水無し」と言っても実際には沢水が流れている所が何箇所かありましたが、水場として整備されているところはありません。また、渇水期は沢水も期待できなさそうです。
 
 登山道は概ねなだらかで歩きやすい道です。時折、石灰の白い露岩が障害物として立ちふさがっており、滑らないように慎重に越えます。展望の無い道ですが、木々の合間からは昨日歩いた石尾根が見えます。
 
石尾根
昨日歩いた尾根
落葉樹の森
落葉樹の森
 この登山道の楽しみは、種類豊富な落葉広葉樹の森を歩けること。展望が利かないことを補って余りある力強さを感じる森です。今年はドングリが豊作だったようで、歩いているとドングリの実があちこちに転がっていました。
 
 去年は台風の影響でドングリが実らず、食べ物がなくなった熊が麓までおりてきて全国的に問題となりました。今年はそういった話も聞かず、どうやら森の奥に潜んでくれているようです。山歩きをしていると野生動物に出会うことも多いのですが、やはり熊だけは勘弁して頂きたいものです。
 
 三条ダルミから1時間半で青岩鍾乳洞への分岐に到着しました。やや青白い石灰岩がその名の由来となっている美しい鍾乳洞とのことですが、現在は登山道の崩壊により入洞禁止になっています。
 
青岩鍾乳洞分岐
青岩鍾乳洞分岐 現在通行禁止
 
 D 三条の湯
 
 
 向かう先に沢の音が聞こえてくるようになれば、三条の湯はもう目の前です。この辺り、沢水が登山道を濡らして滑りやすくなっています。凍結時にアイゼンの着用を促す看板もありました。
 
 注意して歩いていると、なんと向こうからマウンテンバイクを押した男性が一人やって来ます。聞いてみると雲取山の山頂まで登るとのこと。ちょっと信じられません。
 
 実際、「マウンテン」バイクというくらいですから、山道で出会っても別に不思議は無い訳ですが、自転車は平らな道を走る物と思っていると驚きを覚えます。いくら整備された登山道とはいえ、岩を乗り越えていかなければならない箇所もあれば、すれ違う登山者にもいちいち気を遣わなければならないし、ちょっと考えただけでも大変そうです。こちらが出来るだけ荷物を軽くして楽をしようと思っているのに、自転車を抱えて登山とは、苦労以上のよほどの魅力があるようです。
 
三条の湯
三条の湯
 三条の湯は通年営業の山小屋で、収容人数80名、小屋から少し沢を下ったところに20張り程の幕営地と水場があります。想像していたものよりも、ずっと大きくて立派な山小屋でした。別棟に湯小屋があり、ここでは源泉を沸かした鉱泉湯に入浴することが出来ます。
 
 聞けばお湯が使えるのは12時からとのこと。時計を見ると、まだ2時間ほどもあります。沸かしたての新鮮なお湯を狙っていたのですが、少し早かったようです。残念ですが先を急ぐことにしました。
 
 
 E 後山林道終点 〜 H お祭バス停
 
 三条の湯から後山林道終点までは整えられた美林の中を歩きます。ここは「三条谷の広葉樹林」として「やまなしの森林100選」にも選ばれています。
 
 ちなみに林道終点にあるスペースは車の回転場なので駐車することは出来ません。車でここまで来た場合は、通行に支障の無い所で端に寄せて駐車することになります。三条の湯から林道終点までは徒歩30分、ここまでは気持ちよく歩けたのですが・・・・。
 
塩沢橋
塩沢橋(お祭バス停まであと半分)
後山林道起点
後山林道起点
 峠探訪などを趣味にしていることもあって、その過程で林道を走行することもあります。こういった時、人の気配の濃い街から徐々に寂しい山奥へと車を進めることになる訳ですが、それまでの快適な道路や生活感のある雰囲気から一変して、道は狭く、所々舗装も途切れ、なんとも心細い思いがしてきます。道は一段と酷くなり、ガタガタ車体を揺らしてようやく辿り着いた先に雰囲気の良い峠が待っていたりすると、車で訪れる峠もなかなか趣があるものだと独り悦に浸ってしまいます。
 
 
 ところが、自分の足で歩く今度の林道はなんとも単調でつまらないものでした。これまでとは逆で、人の気配の薄い山奥から急に現実の生活圏に戻らされた気がしたからでしょうか?
 
 時折脇を通り抜ける工事車輌のせいもあるかもしれませんが、三条の湯から自分の車にたどり着くまでの3時間あまりは、非常に長く感じられ正直きつかった。紅葉でもしていれば少しは違うのかもしれませんが・・・・・。
 
 
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 雲取山は都心から近く、標高も2000mと手軽なイメージがある山です。実際に歩いてみると、登山道も整備されているし山小屋も多くて安心感がありました。頑張れば日帰りも可能ですが、決して体力的に楽な山ではないと思います。平坦とか楽とか言われる向きもありますが、日々運動不足のサラリーマンには充分キツイ。特にテントなどを担いでいると、ちょっとした登りでも足取りが重たくなります。日帰りにしろ一泊するにしろ、時間に余裕をもった計画にしたいところです。
 
 今回は終始天候に恵まれて、最高に気持ちがいい山歩きが楽しめました。山頂からの展望は特に素晴らしく、2000mながら他に高い山が無いために東京湾まで遠望がききます。高山から望む壁のような山々の連なりも美しいですが、広い平野へと続く景色も開放感があって気分がいい。正直これほどの景色を期待していなかったですっかり見とれてしまいました。皆さんも、ぜひ好天を狙って登ってはいかがでしょうか。
 
 登山者でごったがえしているイメージの付きまとう雲取山でしたが、日曜午後ともなると人影もまばらです。雲取山荘のテント場も2人だけでしたし、たぶん山荘も貸切状態だったと思います。有名な山ですが、シーズンや週末をはずせば自分のペースで静かな山歩きが楽しめると思います。
 
 2日目、同じ道を帰るのもつまらないので三条の湯に下りましたが、これは失敗でした。林道歩きはこれっきり遠慮したいものです。なお、バスを利用する場合は事前に時刻表の確認を。本当に本数が少ないです。
 
 以下、咲き残りの花。この季節もう花は僅かです。
 
 
フシグロセンノウ
フシグロセンノウ
ヤマトリカブト
ヤマトリカブト
 
 
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      雲取山 訪問 2005/10/23
          登録 2007/12/16