大山
大山周辺地形図  
 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッ
 シュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平19総使、第512号)
 
 
 2006/11/9
(快晴)
 
7:02 ヤビツ峠 761m  
8:00 下社コース分岐    
8:08 大山山頂 1252m  
     (休憩 1時間 9:08出発)          総時間:2時間54分
9:56 ヤビツ峠 761m        (歩行時間:1時間54分)
 去年から登山なんてことをやり始めた私ですが、正確に言うと「再開した」ということになります。実を言うと、高校時代は山岳部に所属していました。もっとも、当時の私は部活の仲間とテント泊をしたり、夜空を眺めながら話をしたりといったことが楽しくて、山を歩くこと自体は、実はそれほど好きではありませんでした。(ってオイ)
 ですので、部活のおかげで山に興味を持ったことは確かですが、技術的なことはほとんど身になっていないというのが正直なところです。
 
 そんな訳で、まじめな部員とはとても言えたものではありませんでしたが、それでも熱心な顧問の先生に連れられて、かなりの週末を山で過ごしていました。中でも特によくかよったのが、地元の名峰、大山(だいせん:伯耆大山)でした。あれだけ通えば、不真面目な部員もさすがに愛着がわくようで、どこか好きな山をあげろと言われたら、今でも真っ先に大山の名をあげます。
 
 就職で神奈川にやって来たとき、北に見える格好の良い山が同じく大山という名だと知り、いつか登ってみたいと思っていました。しかし、「いつでも行ける=結局行かない」の法則通り、なかなか実現出来ずにいたのですが・・・・・
 
 
 @ ヤビツ峠
 
 仕事中、ふと空を見上げると雲ひとつ無い青い空が広がっていました。年間を通して、こんなに空気が澄んでいることは案外少ないのですが、平日は当然仕事。全く、晴れの無駄遣いもいいところで、なんだか腹が立ってきます。
 
 昼休み、ネットで天気予報を確認してみると、明日も高気圧に覆われて気持ちよく晴れるみたいです。こんな日に仕事だなんて、勿体ない、もったいない・・・・・・「だったら休んじゃえば?」頭の中で悪魔が囁きます。「だめだよ!社会人なんだから、しっかり仕事しなきゃ!」という天使は残念ながら現れませんでした。じゃあ、しょうがない。そのまま有給取得願いを手に上司の元へ。「あの、すみません。明日の午前中、半休を取りたいんですが・・・・」 理由も聞かず印を押す上司。うーん、いい会社だ。
 
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 そんなキッカケでついにやって来ました、早朝7時のヤビツ峠。ここからだと、イタツミ尾根を登って大山山頂まで1時間。山頂で1時間休憩しても10時には戻って来ることが出来ます。これなら、いったん家に戻ってシャワーを浴びても、昼には余裕で出社できるはずです。
 
 このヤビツ峠には20台程がとめられる駐車場があります。大山だけでなく丹沢への起点となっているため、ハイシーズンの週末はかなり混雑しますが、今日は他に1台とまっているのみです。
 
ヤビツ峠
ヤビツ峠
ヤビツ山荘
ヤビツ山荘
 大山への登山口は、ヤビツ峠バス停の裏にあります。登山口を登ってすぐの所に建っているのがヤビツ山荘。今日は平日なので閉まっていました。19人収容、週末営業(4月上〜1月中・要予約)の山小屋です。
 
 登りはじめは丸太の階段でしたが、その後は、ほとんど平坦な道を歩きます。登山道脇にはベンチなどの休憩所も多く、ちょっとした散策コースのような雰囲気です。
 
 春岳山への登りにかかると、岩も目立つ急斜面になります。11月の空気は冷たく、きつい登りで息のあがった体を気持ちよく冷やしてくれますが、それでも一筋の汗がツーっと頬を伝わって流れていきます。
 
 春岳山の山頂脇を通過して斜面を登りきると、再びなだらかな道に戻ります。結局、登りらしい登りはここだけ、後は大山山頂まで穏やかな道が続いていました。今日みたいに時間が限られているときには丁度いい、このイタツミ尾根は車なら高速道路といったところでしょうか。
 
登山道
登山道にはベンチも
 
 ふと登山道を見ると、鹿のものと思われる丸い落し物があちこちに転がっています。姿は見かけませんでしたが、こんな人気の多い登山道でも平気でうろついているようです。鹿にとっても、獣道より整備された登山道の方が歩き易いのかもしれませんね。
 
 
 A 下社コースの分岐
 
 大山山頂に向けて登山道は再び傾斜を増し、ここを登ったところで大山阿夫利神社下社からの登山道が合わさります。
 
 ちなみに、この下社コースの分岐直前に左手が開けて富士の見えるビューポイントがあります。私は、もっと良く見える所があるだろうと写真も撮らずに通り過ぎ、そのまま分岐まで来てしまいました。西側の展望は、頂上よりもここからのほうが優れています。(と後で思いました)
 
下社コースの分岐
下社からの道を合わせる(山頂側から)
青銅鳥居
青銅鳥居
 下社コースの分岐から頂上までは、もう僅かに10分ほどの道のりです。青銅と石の鳥居をくぐって、予定時刻通り山頂に到着しました。
 
 
 
 B 大山山頂
 
 
 阿夫利神社の石段を登り、大山の山頂に立つと、そこにはなんとも言えない景色がひろがっていました。
 
 
 
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江ノ島・横浜方面の風景
 
 
 誰もいない静かな山頂。神社の石垣に腰をおろし、ぼんやりと景色を眺める私。眼下には関東平野が広がり、遠く相模湾が朝日の中に溶けて輝いています。
 
 そこから視線を右にやると、始動をはじめたばかりの秦野や小田原の街の向こうに、伊豆半島や箱根の山並みが静かにたたずんでいました。
 
 
 
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小田原・箱根方面の風景
 
 
 ひとり景色に見入っていると、後からやって来た男性に声を掛けられました。「今日はいい天気ですね」 「こんな日はなかなかないですよね」と私。「ないですねー」と男性。何気ない会話ですが、今日はお互い満足感がこもっています。
 
 
大山からの展望 南〜西側
大山からの展望 南〜西側(画像クリックで拡大)
 
 
 
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燈籠と石碑
奉献された燈籠や石碑
 
 
 いつまでも景色を眺めていたいところですが、時間も限られていることですし、山頂を散策してみることにしました。
 
 大山は歴史ある信仰の山です。阿夫利神社は平安時代の「延喜式」神名帳にも記載されている古社ですし、江戸時代には庶民の間で大山詣でが大流行し、山上は参詣者で賑わいました。
 
 現在の大山も、都心から近い大衆的な山として多くの登山者・観光客が訪れています。私の周りにも、学生の頃遠足で登った、なんて人もいて、特に神奈川県民には身近な山なんだと思います。
 
奥の院
大山阿夫利神社 奥の院
狛犬
小さな狛犬も
 今日は平日だからか閉まっていましたが、山頂には売店があります。何を販売しているのかはわかりませんでしたが、飲み物くらいはありそうです。東側には大きなトイレもあります。
 
 山頂には阿夫利神社の本社や奥社があり、奉献された石燈籠や石碑が立ち並んでいます。なんとか神域の雰囲気を保っているように感じるのは、平日の静けさと、朝の清々しさ故かもしれません。
 
 
 
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雨降木
 
 
 大山は雨降山ともいわれ、請雨の霊験で知られています。特に解説板などはありませんが、山頂に立っている一本のブナの木は「雨降木」という雨乞いの神木です。どんなに晴れた日でも水滴を含んでいて、この木に霧がかかると雨が降るといわれています。
 
 
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 山頂から見晴台方向に少し下りたところは東側の展望が開けており、関東平野が一望できます。
 
 大山はあまりにも身近な山であるためか、私の周りにいる人達の口ぶりからすると、どうも軽く見られているフシがあります。自分も、どうせ観光地みたいな山でしょ?と甘く見ていたのですが・・・・実際登ってみると、素晴らしい展望の山でした。大山は平野部から急に立ち上がって聳えている山なので、山頂からの高度感、街並みをはるか下に臨む景色には爽快なものがあります。
 
 
大山からの展望 東側
大山からの展望 東側(画像クリックで拡大)
 
 
 
 C 山頂〜ヤビツ峠
 
 
 携帯のアラームが鳴り、下山の時刻を知らせます。本当ならこんな日は何時間でも山頂に居たいところですが、午後から出社するには、そろそろ出発しなければなりません。
 
 下社コース分岐の先、行きに素通りしてしまったところから富士を眺めます。10分だけ立ち止まって、慌しく立ち去る私。あー、もったいない。
 
 
富士山
 
 
 ヤビツ峠までの道を、足早に駆け下ります。今日はほとんど誰とも出会いませんでしたが、この時間になってようやく何人かの登山者とすれちがいました。
 
 道をゆずりながら声を交わします。「今日は富士山が見えますか?」 「ええ、素晴らしいですよ」と私。そう、今日は本当に最高の一日でした。
 
 
大山からの展望 東側
下社分岐付近からの展望(画像クリックで拡大)
 
 
 
 ヤビツ峠から抜け道を飛ばして、自宅に着いたのは11時30分。午後から悠々の出社となりました。午前半休登山、これは結構クセになるかも。
 
 
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 ちなみに、大山の読みが「だいせん」ではなくて「おおやま」と知ったのは、神奈川に来てだいぶ後のことです。どうも周囲に話が通じないので変だと思っていました。でも私の中では大山は「だいせん」です。
 
 

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       大山 訪問 2006/11/9
          登録 2007/12/25